金融機関から融資を受ける際には、元本の返済に加えて利息も支払う必要があります。融資の金利額や支払いに関して不安を抱えることもあるでしょう。特に、コロナ融資の返済が始まり、将来の追加融資の可能性についても心配することがあります。
実際に融資を受ける前に、自分で利息や返済額を計算する方法や留意すべき点について、以下で説明します。
金利・利率・利息・利子とは
金利
金利は、貸借の際に発生する利益やコストを示す割合です。一般的には年率で表され、借入額や貸出額に対してどれだけの金利がかかるかを示します。金利は融資や投資の際に必要な利益を生み出す要素であり、貸し手が利益を得るために融資を行う際に要求する利率です。金利は、固定金利(一定期間内に変動しない金利)や変動金利(市場状況に応じて変動する金利)などさまざまな形態があります。
利率
利率は、金利のことを指します。金利の割合や比率を表す一般的な用語です。例えば、融資の場合、利率は借りた金額に対してどれだけの金利が発生するかを示すものです。
利息
利息は、金利に基づいて発生する費用や収益を指します。借りた金額や貸出額に対する金利によって発生する利益を含んだ金銭的な要素です。借り手が貸し手に支払う金額や、貸し手が借り手から受け取る金額として現れます。例えば、融資を受けた場合、借りた金額に対して支払う利益部分を利息と言います。
利子
利子も利息と同じく、金利に基づく収益や費用を指します。ただし、一般的な用語としては「利息」の方が一般的に使用されるため、日常的な会話や文書では「利息」の方がよく使われます。
金利の種類
固定金利
固定金利は、融資の際に借り手と貸し手の間で合意された金利が、融資期間中に変動しない形式の金利です。借り手は融資を受ける際に固定された金利を伝えられます。そのため、期間内における利率のが変動を考慮することなく返済計画を立てることが可能です。市場の金利変動に影響を受けず、予測が容易であるため、安定感を求める人に適しています。
変動金利
変動金利は、融資の金利が市場の金利動向に連動して変化する形式の金利です。市場金利が上昇すれば金利も上がり、逆に市場金利が下落すれば金利も下がる仕組みです。変動金利はリスクがある一方、金利が低い時期には低い金利で借入ができるメリットがあります。
金利の支払い方法
毎月元利均等支払い
この方法では、借入額と金利を元本に分割して毎月均等な金額を支払います。最初は金利の割合が高く、返済期間が進むにつれて金利の割合が減少し、元本の割合が増加します。返済期間内で均等な支払いが行われるため、返済の予測が容易です。
元利均等返済
毎月の返済額が固定されており、その中に元本と金利の支払いが含まれています。返済期間内で元本を均等に返済していく形式です。最初は金利の支払いが多く、返済期間が進むにつれて元本の支払いが増えていきます。
元本均等返済
この方法では、毎月の返済額の中で元本の支払いが固定されており、金利の支払いは残りの元本に対して発生します。返済期間が進むにつれて金利の支払いが減少し、元本の支払いが増加します。最終的に元本が完全に返済されると、返済が終了します。
利息のみ支払い
この方法では、毎月の支払い額の中で金利の支払いのみが行われ、元本の返済は行われません。返済期間が終了するまで元本は減少しないため、元本が残ったままとなります。利息のみの支払いが行われるため、返済額が低い一方、最終的な返済期間が長くなる可能性があります。
金利計算の基本
基本的に、金利は年率で表され、借入額に適用されます。
例えば、年率5%の金利で100万円を借りた場合、1年間の利息は5万円になります。月々の返済額を計算する際には、借入額、金利、返済期間を考慮に入れます。複利計算の場合、利息が元本に加算され、次期の利息計算の基礎となるため、時間とともに支払い総額が増加します。
金利が融資に与える影響
金利は、融資の総コストに大きな影響を与えます。低金利では、借入れた資金の返済総額が少なくなり、経済的な負担が軽減されます。逆に、高金利では返済額が増加し、長期にわたる財政的圧迫を招く可能性があります。
また、金利の種類(固定金利か変動金利か)によってもリスクが異なります。固定金利は返済額が一定で予測可能ですが、変動金利は市場の状況によって返済額が変動し、計画が不安定になることがあります。
賢い借り入れのための戦略
賢い借入のための戦略は、自分の財政状況を正確に理解し、適切な融資オプションを選択することから始まります。まず、必要な借入額とその目的を明確にし、返済能力を現実的に評価することが重要です。次に、複数の金融機関や融資プランを比較検討し、最も低い金利と適切な返済条件を提供するオプションを選びます。
借入前には、総返済額と各返済の詳細を計算し、予期せぬ財政的負担に備えるために緊急資金を確保しておくことが賢明です。また、金利の種類(固定金利か変動金利か)を選ぶ際には、市場の金利動向と自身のリスク許容度を考慮に入れることが重要です。固定金利は返済額の予測可能性が高くなっています。一方で、変動金利は低金利の恩恵を受ける可能性がありますが、金利上昇のリスクも伴います。
借入契約を結ぶ際には、契約内容を十分に理解し、特に金利、返済期間、早期返済に関する条項、遅延時のペナルティなどに注意を払う必要があります。また、借入後は定期的に財政状況を見直し、返済計画を調整する柔軟性を持つことも大切です。これらの戦略を通じて、賢く、安全に借入を行うことができます。
高金利の罠と回避方法
高金利の罠とは、借入れコストが急激に増加し、返済が困難になるリスクを指します。これを回避するには、まず金利の低い融資オプションを積極的に探すことが重要です。金融機関や融資プランを比較し、条件が最もよいものを選ぶべきです。
借入れ前には返済計画をしっかりと立て、月々の返済額が収入に対して現実的であることを確認する必要があります。さらに、借入れ契約を結ぶ前には、契約内容を詳細に確認し、不明点は金融機関に質問して解消することが肝心です。
借入における一般的な落とし穴
借入を行う際は、過大な借入、不明瞭な契約条件、不適切な金利選択などに注意しましょう。過大な借入は返済能力を超えるリスクを生み、財政的な圧迫を引き起こす可能性があります。
また、契約内容を十分に理解せずに署名すると、予期せぬ条項の存在による不利益や、追加費用に直面することがあります。
金利選択では、固定金利と変動金利の違いを正しく理解することが重要です。理解せずに選択すると、将来的に返済計画が狂う原因となることがあります。
融資契約で気を付けること
融資契約を結ぶ際には、以下の点に特に注意する必要があります。まず、金利の種類(固定金利か変動金利か)とその条件を理解し、将来的な金利変動に備えることが重要です。
また、返済期間と月々の返済額を確認し、自身の財政状況に合っているかを検討する必要があります。契約書に記載されている全ての条項、特に返済遅延時のペナルティや早期返済に関する規定を注意深く読み、理解することが肝心です。
不明点や疑問点があれば、契約を結ぶ前に金融機関に質問し、納得のいく説明を受けることが重要です。これらの注意点を守ることで、将来的なトラブルを避け、安心して融資を受けることができます。
より好条件の融資金利を得るためには
融資の金利が低ければ、資金繰りの負担も軽減されます。しかしながら、既存の融資の金利を引き下げることは、好調でない企業にとっては非常に難しいことが多いです。
融資の金利をより有利なものにするためには、事前にしっかりと準備を行うことが大切です。また、低金利の融資が可能な場合であれば、新たな融資に借り換えることも現実的な手段です。
さいごに
本記事では、融資と金利に関する基本的な知識と、賢い借入のための戦略を紹介しました。金利の種類と計算方法を理解し、自身の返済能力に合った融資オプションを選択することが重要です。また、高金利の罠を避け、契約内容を慎重に確認することで、安全に資金を借入れることができます。借入に際しては、自分の財政状況を現実的に評価し、全ての条件を慎重に検討することが肝心です。これらの知識と戦略を活用することで、賢く、効果的に融資を利用することが可能になります。
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