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セーフティネット4号とは?利用メリットとデメリットを解説

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この記事では、セーフティネット4号の利用についてまとめていきます。

セーフティネットとは

まず、基本のセーフティネットについて説明します。

中小企業信用保険法で規定された要因によって、経営の安定に支障が生じている中小企業者に対して、信用保証協会を通じて提供されるのがセーフティネット保証制度です。この制度は、保証限度額の別枠化によって、資金調達を円滑化することを目的としています。ただし、セーフティーネット保証は全ての企業が利用できるわけではなく、市区町村の認定を受けた中小企業に限定されています。

各要因は、1号から8号まで分類されており、掛け持ちや複数回の適応はできません。また、各分類には対象となる中小企業者の要件が規定されています。

1号:連鎖倒産防止

2号:取引先企業のリストラ等の事業活動の制限 

3号:突発的災害(事故等)

4号:突発的災害(自然災害等)

5号:業況の悪化している業種(全国的)

6号:取引金融機関の破綻

7号:金融機関の経営の相当程度の合理化に伴う金融取引の調整

8号:金融機関の整理回収機構に対する貸付債権の譲渡

セーフティネット保証を利用するには、まず本社所在地の市区町村による認定を受ける必要があります。

上記、1号から8号までの認定区分がありますが、新型コロナウイルス感染症への対策としては、「4号(突発的災害を受けた地域)」と「5号(業況の悪化している業種)」認定が対象となっております。この記事では4号について解説していきます。

4号の詳細と対象基準

セーフティネット保証4号は、突発的災害によって経営の安定に支障をきたしている中小企業者を支援するための制度です。信用保証協会が通常の保証限度額とは別枠で、借入債務の100%を保証します。今回の新型コロナウイルス感染症によって事業に影響を受けた中小企業者も、この制度を利用することができます。

通常「特定の地域」で事業に支障をきたしている中小企業を支援するものですが、新型コロナウイルスは全国的に影響を及ぼしているため、対象地域は47都道府県に拡大されました。

これにより、全国どこにある中小企業でもセーフティネット保証4号を利用することが可能となっています。

【対象中小企業者の認定基準】

・指定地域で1年以上事業を行っていること。

・指定地域で災害等が発生し、その事業に係る当該災害等の影響を受けたこと。

・原則として、最近1か月間の売上高等が前年同月に比して20%以上減少していること。

・その後2か月間を含む3か月間の売上高等が前年同期に比して20%以上減少することが見込まれること。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響により、最近1か月間の売上高等での比較が適当でない特段の事情がある場合、最近1か月(申請月の前月または前々月)を含む連続した過去2~6か月以内の平均売上高等とすることが可能になりました。

4号の活用メリット

<融資返済の代行と低金利>

信用保証協会は、融資の返済を一括して代行してくれます。

つまり、融資返済に困難が生じても、信用保証協会が代わりに返済を行ってくれます。そのため、返済の困難な状況でも債務者は融資先との取引関係を継続することができるのです。

ただし、返済義務が消滅するわけではないため、注意が必要。

また、信用保証協会への返済金利は、一般的に銀行よりも低い傾向があるため、債務者側の負担が軽減されるメリットがあります。

<追加融資にも対応>

セーフティネット保証4号では、すでに受けている融資の追加融資にも対応しています。資金力が不足しそうな状況であっても、新たな融資を受けることができるのです。

信用保証協会は、新たな融資に対しても公的保証人として支援してくれます。通常、すでに借入がある場合、追加融資は難しいですが、セーフティネット保証4号を利用することで、信用保証協会の保証があるため、追加融資を受けられる可能性も高くなります。

このため、経営環境が厳しい場合でも、新たな資金調達が可能となり、事業の継続ができるメリットがあります。

4号活用でのデメリット

<融資実行までの期間>

セーフティネット保証を利用する際のデメリットは、融資の申請から実際の融資実行までに時間がかかることです。

申請から審査を受け、手続きを経て融資が実行されるまでには、通常1か月から2か月ほどの期間が必要とされます。

このため、急いで資金を必要とする企業にとっては、この期間の待ち時間が重荷となります。

<口座の一時ロック>

メリットとして、融資の返済を一括して代行してくれるとお伝えをしましたが、信用保証協会による代位弁済では、利用している銀行口座が一時的にロックされる場合があるというデメリットがあります。このため、代位弁済が行われることを事前に銀行に伝え、口座の残高を確認しておく必要があります。

まとめ

これまで述べてきたように、セーフティネット4号は、新型コロナウイルス感染症など、突発的災害によって影響を受けた中小企業向けの融資制度です。

信用保証協会が公的保証人となり、銀行からの融資を受ける際に、返済困難に陥った場合でも代わりに返済を行ってくれます。ただし、融資の申し込みから実際の融資実行までには時間がかかることや、一括返済時に口座がロックされる可能性があることに注意が必要です。

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