この記事では、ブラックリストに載ってしまった場合の融資への影響や確認方法、また対処法などを紹介します。
ブラックリストとは?
融資の際の「ブラック」という用語は、借り手の信用リスクが高いとされ、金融機関や貸金業者からの融資を受けることが難しい状態を指します。一般的に個人信用情報機関で記録されている事故情報のことを指し、以下のような情報が含まれています。
債務不履行
借入契約などで約束した支払いを遅延したり、滞納したりしているか?
延滞情報
クレジットカードやローンなどの返済期限を守らなかったり、一定期間以上支払いが遅れたりしているか?
債務整理
自己破産や任意整理、個人再生などの手続きを行っているか?
ブラックリストに載っているとどうなる?
融資を受ける際にブラックリストに載っている場合、借り入れが難しくなる可能性があります。ブラックリスト掲載者は、金融機関や貸金業者から信用リスクが高いとみなされる可能性が高くなるため、そもそも融資を受けることが難しくなる場合や、もし融資を受けられる場合でも、金利が高かったり、融資額が制限されたり、担保や保証人を求められることがあるかもしれません。また、以下の場合は審査に通る可能性はより少なくなるでしょう。
総量規制の上限に達している場合
総量規制は、消費者金融が順守しなければならない規制で、「個人の貸金業者からの借入は年収の3分の1まで」という制限があります。そのため、この上限に達している方には融資ができません。
現在も遅延中の借金がある場合
現在他社からの借入金が遅延中であれば、新たな融資を受けても返済が難しいと判断される可能性が高くなります。
ブラックリストかどうか確認する方法
ブラックリストへ載っているかどうかの個別の確認方法は一般的に公開されていません。ただし、信用情報機関などが提供する信用情報の確認を通じて、自分がブラックリストに載っているかどうかを知ることができます。
信用情報機関に問い合わせる
信用情報機関は、個人の信用情報を管理している機関です。自分の信用情報を確認したい場合は、信用情報機関に問い合わせることで、自分の信用情報レポートを取得できます。
信用情報レポートを確認する
信用情報レポートを受け取ったら、自分の信用情報を確認します。債務不履行や延滞などのネガティブな情報があれば、ブラックリストに載っている可能性があります。
信用情報機関のウェブサイトを利用する
一部の信用情報機関では、オンラインで信用情報レポートを申請・確認することができる場合があります。
ただし、ブラックリストの詳細な内容や管理方法は信用情報機関の内部情報であり、一般的に公開されていないため、自分が具体的にどのようなリストに載っているかを直接確認するのは難しい場合があります。
ブラックリストに載ってしまったら?
ブラックリストに載ってしまった場合、一般的には直ちに情報を消すことはできません。ブラックリストに載る原因は、債務不履行や延滞、過度の借入、信用情報の不正利用など、信用リスクを示す要因が関与しています。これらの情報は信用情報機関によって正確に記録・管理されており、不当な理由で消すことはできなくなっています。
ただし、ブラックリストに載る情報は一定の期間が経過すると自動的に削除される場合があります。具体的な削除期間は信用情報機関の規定によって異なりますが、一般的には数年から10年程度の間に削除されることがあります。
例外で情報を消すことができるケース
例外的に、信用情報機関の情報が間違っている場合はブラックリストの情報を消去できる場合もあります。例えば、クレジットカードの利用料金を滞納していないのに審査に落ちた場合、信用情報機関に誤って事故情報が登録されている可能性があるかもしれません。先程説明した通り、信用情報機関には「信用情報開示制度」があり、個人情報の登録状況を問い合わせることができます。もし情報が誤っている場合、債権者に連絡して取り消してもらうことができる可能性があります。
このような場合は、借入先の金融機関に申請し、確認が取れれば情報を削除してもらえる可能性がありますので覚えておきましょう。
ブラックリストに載ってしまう原因
ブラックリストに載る主な原因は、ローンやクレジットカードの返済遅延、デフォルト(債務不履行)、または自己破産などが挙げられます。特に、返済期限に何度も遅れたり、長期間にわたって支払いを怠ったりすると、金融機関はその情報を信用情報機関に報告し、その結果、個人や企業の信用記録に悪影響を及ぼすことがあるでしょう。
また、詐欺や不正行為などの違法行為に関与することも、ブラックリスト入りの原因となり得ます。偽の情報を使用してローンを申請する、収入を過大に申告する、または身元を偽るなどの行為です。
失業、病気、事業の失敗など、予期せぬ事態があった場合、予備資金がない場合や、適切な財務計画がない場合などは、返済能力に影響を及ぼす可能性があります。こうしたケースでもブラックリストに載ってしまうことがあると言えるでしょう。
ブラックリストから消してもらうための交渉方法
まずは自身の信用情報を確認し、ブラックリストに載っている理由を正確に理解しましょう。信用情報機関に問い合わせれば、信用報告書を取得することができます。(※情報機関によっては手数料が発生することがあります。)
次に、金融機関やクレジットカード会社など、債権者と直接コミュニケーションを取り、状況を説明しましょう。この際、過去の返済遅延やデフォルトがあった場合は、その理由を誠実に伝え、現在の財務状況を明確にすることが重要です。また、今後の返済計画を提案し、信用回復に向けた具体的な取り組みを示すことが効果的です。
交渉の際は、債権者に対して敬意を払い、協力的な態度を保つことが重要です。強硬な態度や非協力的な姿勢は、交渉を不利にする可能性があります。また、可能であれば、過去の債務を一部でも返済し、債権者の信頼を取り戻す努力を示しましょう。
交渉が成功し、ブラックリストから名前が消された場合でも、今後は財務管理に特に注意を払い、再び同様の状況に陥らないようにすることが重要です。信用情報は定期的に確認し、財務状況を常に把握することで、信用スコアの改善に努めるべきです。
ブラックリスト状態での資金調達
ブラックリストに載っている状態で資金を調達することは、通常の金融機関からの融資を受けるよりも困難ですが、いくつかの代替手段が存在します。
非営利団体やマイクロファイナンス機関は、従来の銀行よりも柔軟な貸付条件を提示することがあります。これらの機関は、社会的な目的を持ち、低所得者や信用履歴に問題を抱える人々を支援することを目的としているためです。
また、ピアツーピア(P2P)融資は、インターネットを経由して個人間で資金を貸し借りする方法であり、従来の銀行システムを介さずに資金を調達することができます。ただし、これらの融資は高い金利が設定されることが多く、返済能力を慎重に評価する必要があります。
親族や友人からの借入も一つの選択肢です。この方法は、信用情報に基づかないため、ブラックリストに載っていても資金を調達しやすいですが、個人間の関係に影響を及ぼすリスクがあるため、返済計画を明確にし、契約を書面で行うことが重要です。
クラウドファンディングも、特定のプロジェクトやアイデアに対して資金を集める方法として利用できます。この方法は、不特定多数からの小額投資や寄付を通じて資金を調達するため、ブラックリストの影響を受けにくいです。
ブラックリストに載らないようにする方法
ブラックリストに載らないためには、ローンやクレジットカードの支払いを期日までに完済することが最も重要です。遅延や未払いは信用情報に悪影響を及ぼし、将来の融資の障害となる可能性があります。そのため、支払いの期日を厳守し、可能であれば自動引き落としの設定を利用しましょう。
また、複数のローンやクレジットカードを同時に利用する際は、それぞれの返済額と期日を正確に把握し、計画的に管理することが重要です。財務状況を常に把握し、収入に見合った範囲内で借入を行いましょう。
もし経済的な困難に直面した場合は、早期に金融機関や専門家に相談することが重要です。返済計画の見直しやリスケジュールなど、状況に応じた解決策を模索することで、ブラックリストに載るリスクを回避できる場合があります。
個人の財務状況を常に健全に保つことが、ブラックリストに載らないための最も確実な方法です。収入と支出をバランス良く管理し、無理のない範囲での借入を心がけることが、長期的な信用状態の維持につながります。
さいごに
ブラックリストに載ってしまった場合、信用情報機関からに自分の信用情報を取得し、その内容を専門家に見てもらうと良いでしょう。
そして、専門家に自分がブラックリストに載った原因を詳しく説明してもらいましょう。過去の債務不履行や延滞、クレジットスコアの低下など、どの要因が影響しているのかを理解し、信用用情報の改善方法や借金の整理、債権者との交渉など、具体的なアドバイスを受けましょう。
専門家に相談することで、自分の信用情報を正確に把握し、信用リスクを改善するための具体的な方針を立てることができます。信用情報の修正や金融取引の再建に向けて、プロの助けを借りることが重要です。
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