この記事では国金の借り方について解説します。
国金とは?
これまでは、「国金」という用語は国民生活金融公庫を指していました。しかし、現在は国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫、国際協力銀行が合併し、「日本政策金融公庫」を「国金」と呼称しています。また、「国金」は、日本政策金融公庫から融資を受ける際のお金を指す場合もあります。
日本政策金融公庫は政府系の金融機関であり、一般的な銀行よりも利用しやすいとされていますが、融資を受けるためには審査を通過する必要があります。
国金から借りられる融資の種類
国金、つまり日本政策金融公庫から借りられる融資には、どんな種類があるのか解説します。
①一般融資
個人や中小企業が事業資金や運転資金を調達するために利用されます。利用目的は多岐にわたり、新規事業の開始、設備投資、事業拡大、または日々の運営資金の確保などに宛てられます。
比較的低い金利で提供されることが多く、返済期間や条件も柔軟に設定されることが特徴です。
②特別融資
通常の一般融資よりも特定のニーズに特化しており、災害復興、特定地域の経済活性化、環境保護、新技術開発などの社会的・経済的目的を達成するために利用されます。
低金利で長期の返済期間が設けられていることが一般的で、特定の条件を満たす事業者にとって大きな支援となります。
③緊急小口資金
急な事業資金不足や緊急の資金調達が必要な個人や中小企業を対象としています。特に、自然災害や事故、急な設備故障など、予期せぬ事態に直面した際に利用されます。緊急小口資金は比較的少額の融資であり、迅速な審査と手続きが特徴です。これにより、資金が急速に必要な状況に迅速に対応することが可能になります。
④教育ローン
子どもの学校教育や高等教育、専門的な訓練に必要な費用をカバーするために利用されます。学生本人またはその保護者が申請することができ、通常、比較的低い金利で提供されることが多いです。
経済的な障壁を減らし、より多くの人々に教育の機会を提供するのが目的です。
融資の選び方
融資を選ぶ際には、まず自身のニーズを明確にすることが重要です。事業拡大のための長期資金か、短期的な資金繰りのためのものか、目的に応じて適切な融資を選びましょう。金利や返済期間、手数料などの条件を比較し、自分の返済能力に合ったものを選ぶことが大切です。
融資を受ける際には、担保や保証人の要否も重要なポイントです。無担保融資は手続きが簡単である一方、金利が高くなる傾向があります。一方、担保や保証人が必要な融資は、より低い金利で借り入れることが可能ですが、リスクも伴います。
融資を受ける前には、融資機関の信頼性やサポート体制も確認しましょう。信頼できる金融機関とのつながりは、将来的な事業展開にも役立ちます。
国金を借りる手順について
公式ウェブサイトへアクセス
日本政策金融公庫の公式ウェブサイトにアクセスします。
対象融資を選択
希望する融資の種類を選択します。例えば、創業融資、設備購入融資、事業資金融資などがあります。
必要書類の確認
融資を受けるために提出する必要のある書類や条件を確認します。必要な書類は融資の種類によって異なります。
申し込み
オンラインで申し込みを行うか、地域の支店に直接申し込みます。
審査
申し込み内容が審査されます。信用情報や事業計画、返済能力などがチェックされます。
融資の決定
審査結果に基づいて融資の可否が決定されます。
融資の利用
融資が承認された場合、指定の口座に融資金が振り込まれます。
必要書類について
まずは身分証明書として運転免許証やパスポートなどが必要です。
そして事業計画書の提出することが求められることが多く、事業の内容や将来の収益予測を詳細に記載する必要があります。過去の財務諸表や税務申告書など、事業の財務状況を示す書類も重要です。これらの書類は、融資機関が借り手の信用状況や返済能力を評価するために用いられます。
個人事業主の場合は、居住証明や収入証明も求められることがあります。
申請条件について
まず、申請者は日本国内で事業を運営していることが必要です。加えて、信用情報に重大な問題がないこと、特に過去の借入に関する延滞や債務不履行の履歴がないことが求められます。さらに、融資を受ける目的が明確で、事業計画が実現可能であることを示す必要があります。これには、具体的な事業計画書の提出が含まれることが多いです。
国金を借りる際の注意点
国金(日本政策金融公庫)から借りる際の注意点をいくつか紹介します。
審査基準を理解する
国金の融資は審査が厳格です。借りる際には、審査基準を理解し、必要な条件を満たすように準備しましょう。信用情報や返済能力、事業計画などが審査されます。
資金使途を明確にする
融資を受ける目的や使途を明確にし、具体的な計画を立てることが重要です。事業計画書や資金の用途について詳細な説明を用意しておきましょう。
借入金の返済計画を立てる
融資を受けた後の返済計画をしっかりと立てておくことが大切です。返済能力を示す収入の安定性や返済計画の具体性が審査に影響します。
信用情報をチェックする
自分の信用情報をチェックし、不正確な情報や誤りがあれば修正しておきましょう。信用情報に問題があると審査に影響します。
複数の金融機関を比較する
国金以外にも他の金融機関や銀行の融資制度を比較検討することで、最適な条件や金利を見つけることができるかもしれません。
正確な情報を提供する
申し込みに際しては正確な情報を提供することが重要です。誤った情報を提供すると審査に影響し、融資が受けられない可能性があります。
融資の利用規約を理解する
融資を受ける際には契約書や利用規約をよく理解し、借入条件や返済条件について確認しておきましょう。
返済計画の立て方
まずは借入金の総額と金利を考慮し、月々の返済額を算出します。返済額は、事業の収益やキャッシュフローに影響を与えない範囲で設定することが肝心です。
次に返済期間を定め、それに基づいて総返済額を計算します。返済期間は、事業の収益予測や将来の資金計画に合わせて選ぶことが望ましいです。また、予期せぬ支出に備えて、返済計画にはある程度の柔軟性を持たせることも重要です。これには、返済期間の延長や一時的な返済猶予のオプションを考慮に入れることが含まれます。
計画を立てる際は、将来の事業展開や市場の変動も考慮し、現実的かつ持続可能な返済計画を策定することが成功の鍵となります。
さいごに
国金からの融資は、慎重に計画し、準備を整えることが重要です。自分の事業や個人の状況に合った借り入れを行い、返済能力を確保することが成功への大切なステップです。具体的な融資の種類や申し込み方法については、公式ウェブサイトや支店で詳細を確認することが重要です。
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