事業計画

ものづくり補助金18次公募について。ものづくり補助金の概要と17次との違い

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2024年1月31日にものづくり補助金の18次公募がスタートしました。

これまでのものづくり補助金は、約3か月ごとに公募があり、18次公募が最後となる可能性があります。これにより、補助金を利用したい事業者は、今回の公募要領を確認し、申請するかを検討し、準備を進める必要があります。

検討されるにあたり、ものづくり補助金と18次の内容をまとめていきます。

ものづくり補助金の概要

「ものづくり補助金」の正式名称は、「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」です。

日本国内で行われる製造業における生産性向上や、技術革新を促進するために政府が行う支援制度です。この補助金は、製造業における新たな製品の開発や生産プロセスの改善、設備投資、人材育成などに活用されます。具体的には、中小企業や中堅・大手企業などが製造業における課題解決や競争力強化のために補助金を利用できます。

この補助金は2020年から通年で公募しており、公募は年間4回ほど行われています。毎回、2~4か月程度の応募期間が設けられていて、補助金の中では高めの採択率となっています。

小規模な設備でも対象となるため、「新製品開発に向けて試作品を作りたい」「新たな生産ラインを導入したい」と考えるスモールビジネス事業者(個人事業主を含む)にとっても利用しやすい制度です。

ものづくり補助金の対象

補助金の申請条件は、通常、製造業に従事している企業であることや製品・プロセスの技術革新に関わるプロジェクトであることが挙げられます。また、補助金を利用する企業は、一定の成果や目標を達成することが求められることもあります。

補助対象となっている経費

補助対象となっている経費は以下のようなものがあります。

  • 機械装置・システム構築費(設備、専用ソフト、情報システム構築)
  • クラウドサービス利用費
  • 運搬費
  • 技術導入費(知的財産権導入に要する経費)
  • 知的財産権等関連経費(特許等の取得に要する弁理士の手続代行費用)
  • 外注費(製品開発に要する加工、設計・デザイン等)
  • 専門家経費 ※応募申請時の事業計画の作成に要する経費は補助対象外
  • 原材料費(試作品開発に必要な原材料及び副資材の購入等)
  • 通訳・翻訳費(通訳および翻訳に要する費用)
  • 海外旅費(海外渡航および宿泊等に要する費用)
  • 広告宣伝・販売促進費(海外展開に必要な広告等の費用)

補助金の金額

補助上限額は、申請される枠・類型や従業員の人数によって異なります。申請枠や従業員数などによって幅がありますが、100万円から最大8,000万円までの補助金が支給される制度です。また、大幅な賃上げを行った場合には、補助上限額が引き上げられる特例が存在します。

補助率は、原則1/2ですが、従業員5名以下(一部業種は20名以下)の小規模事業者であれば補助率は2/3になります。

ものづくり補助金第18次公募の内容

令和6年1月31日(水) 17時に18次の公募が開始されました

公募申請受付期間

  • 令和6年1月31日(水)から令和6年3月27日(水)17時
  • ※電子申請受付:2024年3月11日(月)17:00~
  • 補助金交付候補者採択発表:2024年6月下旬頃(予定)
  • 実績報告:2024年12月10日【厳守】
  • 補助金の請求:2025年1月31日【厳守】

採択発表は6月下旬ごろで、交付決定は8月中旬とされています。その後、12月10日までに実績報告書を提出する必要があります。このため、10月中に設備を納入することが望ましいですが、タイミングや納期によっては難しい場合もあります。補助金の申請者は、スケジュール管理を重視し、メーカーや販売店などと協力して準備を進める必要があります。

18次公募の注意点

18次公募には注意点が存在します。第17次と第18次の申請では、第18次の締切時点で、まだ第17次(締切3/1)の審査が行われています。そのため、それぞれいずれかの公募にしか申請できません。両方に申請すると、双方で不採択となってしまうため注意しましょう。

また、この補助金は、3~5年の事業計画に基づいた補助事業を実施し、終了後5年間、事業化状況等報告書(事業成果等)を提出・報告する必要があります。基本要件等が未達の場合、補助金返還義務があるので注意しましょう。

機械装置やシステム構築への投資を行うことが必須です。

ものづくり補助金18次公募の申請枠・類型

「省力化(オーダーメイド)枠」

「省力化(オーダーメイド)枠」は、中小企業や中堅・中小企業に対して、人手不足の解消に向けて、デジタル技術等を活用した専用設備(オーダーメイド設備)の導入等により、製造プロセスの省力化や自動化を促進するための支援が行われます。

この枠の特徴は、補助金の用途がある程度柔軟であり、「オーダーメイド」の取り組みにも適用される点です。つまり、企業が自らの製造プロセスや課題に合わせて、最適な省力化手法や機器を導入する際に、補助金が活用できるということです。

製造業界では、市場の変化や競争の激化により、より効率的な生産体制を整える必要性が高まっています。そのため、この枠を活用することで、企業は製造プロセスの改善や生産性向上に積極的に取り組むことができます。また、補助金の支援を受けることで、導入費用の負担を軽減し、新たな技術や機器の導入を促進することが期待されています。

つまり、「省力化(オーダーメイド)枠」は、製造業における生産性向上や競争力強化を支援するための補助金制度です。企業が自らの製造プロセスを改善し、効率化するための取り組みを行う際に利用できる柔軟性の高い支援制度だといえるでしょう。

「製品・サービス高付加価値化枠」

「製品・サービス高付加価値化枠」は単に設備やシステムを導入するだけではなく、製品やサービスの開発を伴う場合に支援が行われます。また、省力化枠と異なり、デジタル技術を活用した専用設備の導入は求められません。この枠は、ものづくり補助金の従来の枠組みに近い形で利用できます。

さらに、今後成長が見込まれる分野(DX・GX)については、成長分野進出類型として重点的に支援されます。このため、関連する取組内容については、補助金の上限額や補助率が通常類型よりも高く設定されています。そのため、該当する場合はこの枠組みでの申請がより効果的であり、より多くの補助金を受け取ることができます。

「グローバル枠」

グローバル枠は、海外事業の拡大や強化を支援する補助金制度であり、製品・サービス開発や生産プロセスの改善に必要な設備やシステム投資を対象としています。海外事業とは、直接投資、市場開拓、インバウンド対応、共同事業などを指します。申請時には、海外事業の準備状況や専門性についての書類が必要です。自主的に海外事業を行う能力を示す必要があり、能力を有する場合は、過去の海外取引の詳細を提供し、能力を証明します。能力を有しない場合は、外部専門家の支援実績を提供し、その能力を示すことが必要です。

ものづくり補助金18次の申請に必要な書類

申請の際には、以下の様な書類の提出が必要となります。

【必須】

  1. 事業計画書
  2. 補助経費に関する誓約書
  3. 賃金引上げ計画の誓約書
  4. 決算書(直近2年間の賃借対照表、損益計算書等)⑤    従業員数の確認資料

【該当する場合のみ】

  1. 労働者名簿
  2. 「再生事業者」であることを証明する書類
  3. 大幅な賃上げ計画書
  4. 金融機関による確認書
  5. 海外事業の準備状況を示す書類
  6. 最低賃金要件に関する確認書⑫    その他の加点他か店に必要な書類

17次公募と18次公募の内容の違い

17次公募では、「省力化(オーダーメイド)枠」のみの公募でした。

しかし、18次公募では、「省力化(オーダーメイド)枠」に加え、「製品・サービス高付加価値化枠」「グローバル枠」とすべての枠に応募することができるようになりました。

また、賃上げをする事業者への支援が拡充され、補助額が引き上げられています。

補助額の引き上げは歓迎すべきことです。しかし、要件未達の場合、返還義務などが生じます。達成の考え方や算出方法、賃上げ計画は入念に計画しておきましょう。

その他にも、一定の投資規模を実施する事業者に対して、口頭審査が導入されています。また、「製品・サービス高付加価値化枠」で交付決定を受けた中小企業等に対し、人材の賃金の一部を助成金により助成するといったことも18次公募では実施されます。

まとめ

補助金の利用により、企業は新たな技術の導入や生産性の向上、製品の品質向上などの成果を上げることが期待されます。これにより、製造業全体の競争力向上や経済の活性化が図られることが期待されます。

政府は、ものづくり補助金を通じて、各業種の機械装置の設置や、ITを通じたWEBシステムのイノベーションや競争力の強化を支援し、日本の産業の持続的な成長を促進することを目指しています。

特に製品・サービス高付加価値化枠、グローバル枠に申請する事業者は、2024年度は第18次でしか申請できない可能性があります。検討されている方は、早めに専門家に相談することがおすすめです。

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